天使ママのお部屋

体外受精、双子妊娠、22週流産、癒着胎盤を乗り越えてベビ待ち中のナースのブログ

流産と妊婦ナースとヨーグルトの思い出

こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。

妊活ネタが続きました。

今日は看護師ネタというか、入院中の思い出話にしたいと思います。

印象に残っている看護師さんとの思い出です。

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妊婦ナースとの思い出話

その方は、妊婦の看護師さんでした。これは、私が流産で入院していたときの思い出です。妊婦の看護師さんというだけで印象に残ることは間違いないのですが、妊婦だということ以外でもとても印象に残っています。

 

妊婦に対する負の感情

「今日担当の○○です」

朝の検温の時にそう自己紹介されましたけどね、正直名前なんて頭に入ってきませんよ。はっきり言ってなんで?って思いましたよ。こっちは流産直後です。精神的にもまだまだ相当に不安定で毎日泣いていました。そんな時に、どうして何人も看護師がいる中でこの人に担当されなくてはならないのかと。一目見てわかる妊婦の看護師。お腹の大きさからすると私と左程変わらない週数に見受けられます。

 

いやがらせですか、なんなんですか。それくらいの配慮してくれてもよくないですか。ここ整形外科病棟でしょ。流産した元妊婦がそんなにたくさんいるわけないでしょ。それなのにわざわざ私にこの人当てますか?

 

もうそういう負の感情が渦巻いちゃってどうにもなりませんでしたが、ぎりぎり平静を装います。大人の対応ってやつですね。

 

妊婦ナースさんは主任さん!

点滴やらなんやらやってもらっているうちに名札を間近に見てそしたらそこには主任と書いてありました。おお、ちょっと親近感。おそらく副師長であった私と同じ立場。師長とそのほかのスタッフとの橋渡しとなる中間管理職の末端の方でしょう。それなら尚更なぜ自分で担当患者の調整してくれなかったのよとまたまた負の感情が湧いてくるけど別の考えも浮かびます。

 

新人ちゃんたちに気を遣うくらいならベテランに甘えられた方がいいかなと。新人ちゃんにこんな事頼んだら大変かしらとか気を遣ってしまう私。ベテランならよきに計らってくれるだろうとお任せできることもある。そう考えよう思いました。

 

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豆乳とヨーグルト

そんなこんなの葛藤を経て、とある日のお昼ごはん。豆乳のパックが出ましたが私は豆乳が大嫌い。もちろん未開封のまま返却。もう歩けるようになっていたので自分で歩いて返却ワゴンにお盆を乗せに行きました。傍らに例の主任さんがいてお膳を受け取ってくれました。いつも全体量の半分くらいしか私は食べません。それを一目見て主任さんはすかさずの対応。

「豆乳苦手でしたら牛乳に変えましょうか?」

私、牛乳もそのままだと飲めないので

「いや・・・いいです。」

とだけ言うと察してくれました。

「もし牛乳も駄目でしたらヨーグルトかフルーツジュースにも変えられますよ。」

お!ヨーグルトはありがたい。

「あ、じゃぁヨーグルトでお願いします。」

「変えておきますね」

翌日から本当にヨーグルトがお供してくれるようになりました。

半分しか食べていない食事量と未開封の豆乳。少しでも摂取量を上げるために食べやすいものを提供しようという気遣い。一瞬の判断ですぐに声をかけてくれる対応力。そしてそれを忘れずに実行してくれた行動力。さすがは主任さんです!

 

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看護師に求められる大事なこととは

この妊婦ナースさんとの関わりはなぜそんなに心に残っているのか。それはこの出来事や関わりからいろんなことを感じたり考えたりしたからです。

看護師に求められているものってこういうことなんだなっていう実感だったり、人の印象ってこんなに簡単に変わるんだなとか、人の印象がそのまま病院の印象にも直結するんだなってこととかです。

 

簡単で当たり前のこと、でも出来てないこと

たかが、ヨーグルト。されどヨーグルト。食い物の恨みは恐ろしや。

よくね、病院で働いていていたときクレーム頂いてました。牛乳苦手だからヨーグルトに変えてって頼んだのに3日経っても変わらないとか。お願いされた看護師がオーダー変更を忘れてたりするんですね。そんなことって思うかもしれませんがそういうことの積み重ねから信頼を失っていくんです。

患者さんの方から頼まれてもできなかったりするんです。それを頼まれてないのに提案して確実に行う。たかがヨーグルトですが実は大事なことなのに出来ないことなんです。

些細なことだけど、簡単なことのように思えるけど案外できないんです。食事のお膳を下げる、食事摂取量を記録するという最低限の仕事をすることに精いっぱいでそこからその人に必要な看護とはなんなのかを考えるに至らない事が多いんです。

 

なぜ、出来ないのか。そこまで思考を巡らせるだけの気持ちの余裕がないというのもあるのだろうと思います。でも忙しさや気持ちの余裕を言い訳にしてはいけないとも思いますが。

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たった一つの出来事が変えた印象

最初、私はこの妊婦の看護師に対して負の感情しか抱けませんでした。なぜ、当てつけのようにこの人が私を担当するんだろうかと。そんなの当てつけでも何でもないことは分かっていますが気持ちは追いつきません。私は子供を失った。あなたはもうすぐ子供を産む。あなたに私の気持ちがわかるわけないじゃない。

そんな負の感情ばかりが浮かんでしまう自分がまた嫌で、だから夜面会に来る家族にもそのことは言いませんでした。

でもお昼ごはんの一件があってから私の印象は変わりました。やっぱりこういうこっちが言わなくても察して手を差し伸べてくれる看護師がいるという安心感はいいなとか、そういう人が管理職になっているこの病院はやっぱり悪くないなぁとかそんなことを思っていました。

 

人の印象がその病院の印象を決める

人の印象ってちょっとしたことで良くも悪くも結構簡単に変わることってあるんですよね。そしてその人の印象がその人の属している職場のイメージにも直結していきます。病院なんて特に、イメージって大事ですからね。いい加減なことをする看護師が一人でもいるとその病院はいい加減な診療しかしないんだろうって思われてしまいます。一人の対応がその病院のすべてを語ってしまうことがあるんです。だから白衣を着ている以上、新人であってもベテランでも関係なく丁寧で確実な対応が求められるんだろうなぁって思います。

そういう意味でも看護師の仕事は厳しい職業ですね。求められるものは高く、これくらいならいいかなっていう気のゆるみが大きなことにつながってしまいますから。

 

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妊婦ナースを見ていて思ったこと、今振り返って思うこと

その主任さんには何度か担当してもらうこともありましたし、担当していないときにも見かけることはありました。よく見てみればその人以外にも妊婦のスタッフは数人いらっしゃったんです。その方々を眺めていて、思ったことがあります。

 

妊婦だって働ける、でも・・・

私は妊娠の経過が最初から不安定で妊娠中1ヶ月しか働いていませんでした。その1ヶ月だって患者さんを担当せず、ナースステーションの中だけで働いていました。でも目の前にいる主任さんは妊婦なのに患者さんを担当し、元気に普通に働ています。それを見て、私は自分の職場に申し訳ない気持ちになっていました。

こうやって元気に働ける妊婦さんもいるのに、私は何もできなかった。それなのに無事に産むことさえも出来なかった。みんなにあんなに協力してもらってそれで元気な赤ちゃんが生まれましたって言うならまだ協力した甲斐もあると思ってもらえるかもしれないけど私はそれさえもできなかった。こんなの協力した損じゃんって。そんな気持ちが湧いてきてやっぱり妊婦の看護師を見ているのは辛かったですね。

 

言葉は気持ちを強くする

言霊というのはあると私は思っていて、思っていることを言葉にしてしゃべるとその気持ちは強くなると思うんです。だから、特に負の感情は極力言葉にしないようにしています。

誰かに「妊婦の看護師を私の担当にするなんて配慮に欠けてるよね、なんでそんなことするんだろう。ひどいよね。」と言ってしまったらその気持ちはどんどん大きくなってしまうと思って私は主人にもその気持ちは言いませんでした。いい感情はどんどん言葉にしていくべきです。でも人の悪口や、負の感情は言葉にしてしゃべるほどその感情に飲み込まれて辛くなるのは自分だと思います。

 

妊婦だからこそ

最初、私は今幸せ絶頂のあなたに私の気持ちがわかるわけないと思っていました。でも今振り返れば、妊婦だからこそ、流産した私の気持ちは分かるのではないかと思います。妊婦だからこそ、今自分に同じことが起きたらという事を簡単に想像できてそれがどれだけ恐ろしく、悲しいことなのか分かってもらえていたと思います。

今頃、順調にいっていればきっと生まれている頃です。無事に元気な産声を上げていることを切に願っています。

 

今日は思い出話からいろんなことを考えてみました。そしたらまた長くなってしまってすみません。

まだ思い出のある看護師さんがいるのでまた書きます。良かったらまた遊びに来てくださいね。

 

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