お局ナースに怯えてた思い出話とお局攻略法
こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
春ですねぇ。あったかいですねぇ。東京(の端っこ)は良いお天気でした。
さぁて、今日も思い出話といきましょう。
もう1人、私には印象に残っている看護師さんがいらっしゃいます。
その方はまぁ、いわゆる、「おつぼねさま」的な。そんな感じの印象です。
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お局ナースとの思い出
どこにでも、どんな職場にもいますよね。お局様的な存在って。我ら看護師の世界は女性ばかり。当然いますよね、お局様。
患者の立場であった私がなぜ、その方をお局様だと思ったのか。それはとある夜勤の日の出来事から。
「それ、今私に言うことですか?」
初めましては夜勤でした。検温に来たお局様は母が面会に来ているのをみて、検温を後にしようと思ったんでしょう。ちらっとカーテンを開けて
「今夜、担当です。またあとできますね。」
それだけ言って去っていきました。
初めましてなのに名乗らない。私的にやはり自己紹介が出来ないというのはアウトなんですが、まぁなんというか無言の威圧感がすでにある感じで。
患者さんは基本ベッドに横になってますよね。そこに看護師が来て普通に立ってしゃべると目線が見下ろす感じになって普通にしててもちょっと怖い感じになっちゃうんですよ。立ったままでも顔を少し下に下げたりするだけでもその怖い感じは改善できるんですけど、お局様はまぁ気持ちよーく見下ろす感じの目線でしゃべってたから怖く感じたんでしょう。
『なんだか今日の担当看護師さんは怖い感じの人だな・・・。』
私はそう思っていました。
面会時間が終わって消灯時間まであと1時間半。消灯までにやらなきゃならないことてんこ盛りの忙しい時間帯。再びお局様はやってきて検温を始めました。
相変わらず、顔の角度を変えないから見下ろす感じでしゃべってます。
そこへ、看護助手さんがやってきて小声で「ちょっといいですか。」と話しかけます。
お局様は振り返りもせず「なんですか?」と返答。
助手「あの、○○さんなんですけど、ナースステーションにいらっしゃって行動が落ち着かないのでベッドに戻してもいいですか?」
看護師が常に注意してみていなくてはならない患者さんをナースステーションとかに集めて見守ることがあります。これについて、賛否両論ありまして数人の患者さんをまとめて見守ることができるから効率が良い反面、ご家族からはナースステーションって人が多く通るところだからまるで見世物みたいになってると言われることも。
この病院ではよく数人の患者さんがナースステーションにいらっしゃるのを見かけました。そのうちのおひとりを自室に連れて行っていいかと看護助手さんが聞いてきたわけです。
それに対して、お局様は私のほうを向きながら聞いていたので表情がよくわかっちゃったんですが、みるみるうちに「は?」みたいな顔になっていきました。
そして振り向き一言
「それ、今私に言うことですか?」
でたー!きたー!あるー!そういうの聞いたことあるー!こえー!
しどろもどろの看護助手さん。
「え、あ、あの・・・」
そして更なる一言
「いいです、今私行くんで。そのままにしといてください。」
これも聞いたことあるー!もう手を出すなっていうシャットダウン!
消え入りそうな声で「すみません」とだけ言って去っていく看護助手さん。
私は言いたかったけど、言わなかったけど、激しく心の中で思っていました。
『それ、私(患者)の前で言う事ですか?』
だって患者の前だよ?いいのかい、その対応の仕方は!私には関係ないけどさ、少なからず私もこえーし、ビビるし。
そのまままた何事もなかったかのように血圧とか測って「あとで寝る前の薬持ってきますね。」と言って去って行かれました。
そんなやり取りを見せられてこの看護師さんに何か頼みたいと思う患者がいるだろうか。いないっしょ。
ちょっと怖いけど、悪い人でもない
翌朝。私はその日、仮退院をして双子を火葬し家に骨壺をもって帰る日でした。朝一で貧血改善の注射を打ってもらったり次回の外来の説明を受けたりしなくてはならなかったのですが担当はなにせ、あのお局様。催促する勇気は持てず、ぎりぎりまで他の準備を進めて待ってみましたが待てど暮らせどお局様は来ない。仕方なくトイレのついでにお局様を探しに行きました。
ここでナースコールを使わず、自ら赴いているあたりもビビってる証拠です。(笑)
お局様を見付け、全力の笑顔で話しかけます。
私「あの、今日仮退院なのでフェジン(貧血治療薬)の注射を・・・」
お局「あ、そうだった。忘れてた!そっか、今日も打ってから行くんだね。」
もうすっかりタメ口です。でもそんなことどうでもいいです。とにかく注射打ってくれって感じです。
私「あ、今トイレ行ってくるんで、いい時にお願いします。」
お局「はーい、すぐいきまーす。」
最後にそちらの都合でいいですよ的な「いい時にお願いします」という気遣いも忘れません。だって、怖いから。患者がどんだけ気を遣ってるんじゃいって感じです。
しばし待つと、お局様は注射をもってやってきました。注射を打って外来の説明やら退院手続きの説明やらを受け、ようやく出発できます。
荷物を先に車に乗せたりとかなんだかんだやって廊下に出てきたところでまたお局様に出会いました。
お局「あ、準備出来ましたか。大丈夫、必ず次があるからね。私もね、流産したけどそのあとすぐ妊娠したから。子宮の中綺麗になって流産の後は妊娠しやすいって言うし、大丈夫よきっと。」
そう言って、私の背中をさすってくれました。
私「ありがとうございます。お世話になりました。」
そうか、この人も流産したんだ・・・。
単純な私はこの人悪い人じゃないかも、とか思ってしまいます。
こうしてせっかくお局様に励ましてもらいながら送り出してもらったのに、結局この日火葬場で多量の出血をしてすぐに病院に逆戻りしちゃったんですが・・・。
お局様について考えてみる
この思い出からまたいろんなこと考えたんですよね。お局様ってどうしてお局様になっちゃうんだろうとか、そういえば自分が働いているときにもいたよなぁとか。そんなお局様的存在について考えたことをまとめていきます。
お局様の必殺技
看護の世界に限らず、どこにでもいますよね。お局様って。
私が新人だったころにもいましたよ。申し送りをしていて「それ、先生に報告したの?」とか言われ、「え、いえ・・・していません。」とか言うと無言でおもむろに電話のところに行き、先生に電話をかけ始めるとか。やべーと思って「私が報告します。」と言っても「いえ、もういいですから。」とか言われてシャットダウン。
この必殺「もういい」に何度怯えたことか。(笑)
数年後同じ先輩に言われたことがあります。
「君たちの代は「もういい」って言っても「やらせてください、みせてください」って言ってきてくれたよね。そういうガッツが今の新人にはないんだよなぁ。」
言いたいことは分からなくもないが、ただでさえ厳しい医療の世界。同じ看護師同士でなぜ尚更厳しくしなくちゃならんのか。あの「もういい」は人格否定に聞こえるからやめてもらいたい。
どこまでが指導の一環なのか難しいところですが言った方と言われた方では捉え方は違うという事は認識しておきたいですね。
先輩はその「もういい」で新人のやる気を測ろうとしただけなのかもしれないけれど、新人はその「もういい」が必殺技でしかなくて心はズタズタにやられているかもしれませんからね。
お局様は損をする
私が患者として遭遇したこのお局ナースさんは最初は怖いし、接遇なってないし、ダメな看護師だと思っていました。ですが、最後には励ましてくれました。同じ経験を持つ女性として励ましてれたお局様は人としてはそんなに悪い人ではないと思います。
ですが、残念なのはその態度。せっかくいい人なのに、台無しです。
お局様と呼ばれる人の多くは実はちゃんといい人だし、仕事に対する熱意もあったり、知識も豊富だったりします。そういう人がお局様として周りから嫌煙されてしまうのはなんかもったいないです。
仕事に対する意識が高いからこそ新人の生ぬるい感じが許せなかったり、知識や技術があるからこそいい加減なことをする人に腹が立ったりするのかもしれません。
それでいて、新人を指導したりするのは嫌いだったりしますからね、お局様って(笑)
そうやって周りから嫌煙されるとさらに頑なになっていって新しいことを受け入れなくなり、「私のやり方」に固執したりしていきます。そうすると更に周りは嫌になりますよね。こうして負の連鎖が始まり、お局様の武器は権力を振りかざすことくらいになって益々孤立していく。気が付けば立派なお局様の出来上がりってわけです。
お局ナースにならないように
せっかく知識と技術を持った熟練看護師がお局様としてみんなから嫌煙されたらもったいないです。だからそうならないための努力は必要だと思います。意識すべきことは3つ!
・積極的な後輩育成
お局様として周りから嫌煙されることがないようにするためにはまず、自分から周りと関わりを持とうとすることです。私はもう年数上なんだから新人指導なんてもっと下の子がやればいいのよみたいなことではだめです。自分の病棟に配属された新人はみんなで教育するっていうスタンスでいきましょう。当たり前だと思いますか?なかなかできてないところ多いと思いますよ。
・新しいことに取り組む柔軟性
中堅ナースが新しいことをやりたいと言って来たら一緒に取り組む姿勢を持ちましょう。新たなことにも積極的に取り組む先輩の姿は後輩から尊敬されます。医療の世界は日進月歩。エビデンスは変わっていきます。自分が培った常識がいつまでも常識とは限りませんから。
・冷静沈着な態度
夜勤とか忙しいしイライラしがち。わかります。お気持ちはよーくわかります。だって何かあったら対処しなきゃならないの自分だしね。そりゃピリピリもします。でもそこは、ぐっとこらえて、忙しい時こそ笑顔を忘れず何かあっても動じない態度こそが後輩の支持を集めます。後輩たちがご機嫌伺をするようになったらお局様です。
お局様の攻略法
そうは言っても、どこにでもいるお局様。後輩諸君はその対応に悩んだりもするでしょう。私が思うお局様攻略法は3つ!
・気合を見せる
必殺技「もういい」に挫けてはいけません。そこはガッツで食らいつく気力が大事。お局様はあなたの知らない知識や技術を持っています。経験から来るそれらは教科書には絶対載ってないプレミアものです。それを伝授してもらうためにも突き放されても食らいついてそのプレミアをゲットしましょう。
・お礼は大げさなくらい言っておく
自分の仕事を手伝ってもらったりした時、自分の代わりに何かしてくれ時、お礼を言うのは当たり前として、派手に言っておきましょう。できればみんなの前で。あわよくば、上司の前で。みんなの前で褒められて悪い気がする人はいないはず。
・ナースマンを使う
これね、賛否両論あるかな。ナースマンに怒られるかな。でもこれ大事。女子しかない病棟と一人でも男性看護師がいる病棟では人間関係のギスギス感がまるで違います。女子だけの世界はこわい!異性が一人でもいると違うんですよねぇ。そしてお局様は同じ女子には当たりが強くても男子には弱くなるってのもあるあるです。何か頼みごとをするときにナースマンに代わりにお願いしてもらうとか効果ありです。逆に、男子に対してのほうが厳しい場合もありますが・・・。
まとめ
思い出話からお局様の攻略法になっちゃった。完全に私、自分の事棚に上げまくりでここまで書きました。自分だって経験年数と年齢からいけば立派なお局様でしょうね。私が職場でお局様として嫌煙されていたかどうかわかりませんが、上にあげたようなことは全部が全部出来ていたわけではないです。特に、副師長になってからは四六時中怒ってた気もします。管理職としてやらなくてはならないこととこれはまた違うってことにしておいてください。はい、言い訳です(笑)
いつも完璧で全部やれるわけはないんで。お局だって人間だもん。イライラする日くらいあるさ!でも四六時中イライラしている看護師ってのはどうなんだろうって思うし、少なくとも患者さんの前でそれが出てしまうのはプロとしてどうなんだいって思います。
ということで、今日はこのへんで。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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