夜勤で受けたナースコールの思い出
こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
今週は夜勤やナースコールについて書いてきましたが、夜勤で受けたナースコールで一番印象に残っているナースコールがあります。
今日はそんな思い出話でも。
その日の夜勤は私と後輩二人との夜勤でした。
真夜中は交代で休憩を取ります。1人の後輩が休憩に入り、私と私より3つ下の後輩の二人でいました。
後輩が人工呼吸器を装着されている患者さんの元に検温に行ってきますと声をかけてナースステーションを出ていきました。
私は一人、ナースステーションにいました。
しばらくすると、心電図のアラームが鳴りました。
患者さんに装着されている心電図はナースステーションのモニターに映るようになっています。そのアラームは後輩が検温に行っている患者さんの酸素のアラームでした。
ナースステーションから少し首を伸ばせばその患者さんの部屋を見ることが出来ます。
部屋を見ると、ちょうど後輩が痰の吸引をしていました。痰の吸引をしているときは一時的に酸素の値が下がることがあります。
私はアラームを消してしばらく様子を見ていました。
しかし、なかなか数値が改善しないため、私もその患者さんのところへ行きました。
部屋に行くと後輩が一生懸命に痰の吸引をしています。
「大丈夫?」
「痰が固くてなかなか引き切れません。」
気道が乾燥すると痰は固くなり、粘度が高くなるので吸引しづらくなってしまうんです。
後輩と交代して今度は私が方法を変えてやってみます。その間も患者さんは意識はありませんが苦しくて体が動くのでそれを後輩が押さえます。
二人がかりで必死に痰の吸引をしているとき、ナースコールが鳴りました。
何とタイミングの悪いナースコールなんだ、この手が離せないときに。
そんなことを心の中で思いながらナースコールと連動させてあるPHSをポケットから取り出しコールを切って画面を見ました。
その画面に表示されている部屋番号を見てえーっとこれはどこの部屋だ?と考えを巡らせ・・・ん?ここ?
そこに表示されていた部屋番号は今、私たちがいるこの部屋でした。
「え?」
一瞬思考が停止。
「どうしました?」
私がPHSの画面を見ながら固まっているのを見て後輩が聞いてきます。
私「今、ピッチ持ってる?」
後輩「持ってますよ。」
私「今鳴ってたナースコールってこの部屋?」
後輩「え?」
ポケットから取り出して後輩も画面を見ました。
後輩「そう・・・ですね・・・。」
私たちは同時に壁にかかっているナースコールを見ました。
そうなんです。この患者さんは意識がない患者さんなのでナースコールが使えません。なのでナースコールは壁にあるフックにかけてあったんです。
二人とも必死に体を押さえながら吸引していて壁にかかっているナースコールなんて触ってもいません。
でもナースコールはこの部屋から鳴っていたのです。
苦しいってことなんだなと思いました。
きっと苦しくて、私たちに早くどうにかしてくれってきっとそう言ってるんだと思いました。
「ごめんね、今全部痰とっちゃうから、もう少し頑張って!」
そう言いながらまた吸引を続けなんとか痰を取り切り、酸素の値も正常値まで上がってきました。
なぜあの時、あのタイミングで、あの部屋からナースコールが鳴ったんだろう。
可能性1:一生懸命にやっているうちに何かの拍子に壁にかかっていたナースコールにぶつかった
可能性2:ナースコールシステムの誤作動
そんな可能性はゼロではないと思います。
でも、世の中にはやっぱり説明しきれない現象ってあるんだと思います。
この患者さんは後に回復して人工呼吸器も外れたし、意識も戻りました。
でも当然この時のことは覚えていませんでしたけどね。
今日はこのあたりで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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