看護師になってほしいと望む前に
こんにちは。天使ママのお部屋へようこそ。
今日は看護師関連のことを書きたいと思います。
本日の目次
親が子供に望む職業
2016年もまた親が子供に就かせたい職業女の子部門1位は看護師です。ここ数年はずっと堂々の1位です。
嬉しくもあり、複雑な気持ちもあります。
なぜなら、誰にでもできる仕事ではないということを本当の意味で理解していただきたいからです。
新人指導で感じたこと
私は、8年ほど臨床指導者という看護学生を実習で指導する立場でした。実習に来た学生さん達に実際に患者さんを担当してもらい、一緒に看護行為を行い、現場での指導をするということです。そして3年ほど副看護師長という立場でもありました。病院によって呼び方は主任さんとかリーダーさんとかいろいろあると思いますが病棟責任者の師長を支える一般企業でいう係長さんみたいな感じでしょうか。新人だけでなく、経験の浅い看護師たちの全般的な教育も行ってきました。
どこの社会でも「最近の若者は~」みたいなことって言われていると思いますが、看護の世界も御多分に漏れず、同じことが言われています。
ですが、ここ数年の新人看護師はその「最近の若者」とはちょっと異なる性質がある気がします。
今までの新人看護師でよくあるのは自分や身内が入院していてその時の看護師に憧れたとか親が看護師だったから憧れたとかって話をよく聞きました。ちなみに私はそのどちらでもありませんが。
しかし最近は親に勧められたからという意見を少なからず聞くようになりました。
もちろん、きっかけは親に勧められてでもいいとは思います。そこに自分の意思があるのならば。残念なことに親に勧められて看護師になった人たちの中には向いていない人もいます。
コミュニケーションが図れない
人と接することが苦手または嫌い
物事を覚えることが苦手
こういった特徴を持つ人に看護師は向いていません。
さらには自分は看護師にはなりたくなかったけど親がどうしてもなれというからなったと堂々と話す新人もいます。驚きです。
よくそんなモチベーションで看護学校乗り切ったねと思いますが最近の学校の体制にも問題があるのでまぁ、乗り切れるんですよね。そこについてはまた別記事にしたいと思いますが。
本人が望まぬ看護師の影響
当然ながらこういう人はだいたい1年もちません。
本人がドロップアウトするだけで済むならそこまで問題だとは思いません。ですが、影響は本人にとどまりません。
その新人を育てようと頑張る指導係の看護師がいます。マンツーマンで教えていたりすると自分の指導が悪いんじゃないかと悩みます。
その新人が重大なミスをしないようにとフォローする熟練看護師がいます。患者さんに何かあってからでは取り返しがつかないので常にアンテナを張って新人のミスを事前にキャッチするよう務め、疲労が重なります。
それでも防げなかったとき、患者さんに多大なるご迷惑と最悪の場合、命の危機にさえつながります。
たった一人の無理やり看護師になった人間のために、その周りにいる看護師や患者の心身を壊しかねないというのが現実です。
そして、もし万が一患者さんに危害を加えるようなことをしてしまったとしたらその人自身の人生も大きく変わってしまうし、心を病んでしまうことにもなります。
安定性だけで選ばないでほしい
看護師は確かに他の職業と比べ、断然の安定性と高収入で女性が自律した人生を送るためにはもってこいの職業だと言えます。ですが、それだけのために誰でもがやれる仕事ではないということを重々認識していただきたいと思います。安定性を求めて我が子にこの職業に就くことを望むというのは如何なものかと思うのです。もちろん、すべての親がそれだけのために看護師になってほしいと願っているとは思いません。ですがぜひ、ご自分のお子さんに看護師になる素質があるのかということを見極めたうえで勧めていただきたいと切に願います。
とりあえず、免許だけでも取っておこうというのもやめていただきたいと思います。その「とりあえず」のためにどれだけの人が時間と労力を割いて指導をするのか。実習の場で学生を指導している臨床指導者は指導料をもらっているわけではありません。業務を調整し、その時間を作っています。そういった現場の実情も知っていただけたらと思います。そして「とりあえず」取った免許で看護師を名乗られるのだけはやめていただきたいと思います。
すみません。
読者様の中には全然無関係なお話だと感じられる方もいらっしゃると思います。
ですが、今後自分が病院にお世話になったとき、こういった看護師がいないとは限りません。高い志は看護師になってから養うことは出来ますが、ただただ安定性だけで適性がない人が看護師になることが少なくなったらなぁと思った次第です。
どうかこの記事が読んでほしい人の元に届きますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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