あなたの知らないナースの世界~学校教育と新人教育~
こんにちは。天使ママのお部屋へようこそ。
今日も看護師関連のお話です。
昨日の続きみたいなかんじですかね。
昨日書いたように、親に勧められるがままに適正に欠ける人が看護師になる。そういう人が増えているのであればちゃんと学校で篩にかければいいと思いますよね。
でもそうもいかない大人の事情というのもあったりなかったり。
今日はそんなお話です。
本日のメニュー
看護の世界の現状
2014年現在、看護師、准看護師、保健師、助産師合わせた人数は約160万人いると言われています。これは現役としてどこかしらで働いている人の人数です。
それに対し、潜在看護師といって免許はあるけれど何らかの理由で看護師として働いていない人が約17万人いると言われています。
そして、いわゆる団塊の世代と呼ばれる方々が後期高齢者にさしかかる2025年には200万人の看護師が必要になると言われています。
あと40万人必要というわけですが、年間5万人の新人看護師が誕生しています。ですが、辞めていく看護師も当然いるわけですね。その数年間なんと16万人!驚きの人数ですね。そんなに辞められたら看護師不足が悪化する一方だ・・・。
だがしかし、ご安心ください。産休育休などから復帰する看護師が14万人いると言われています。ありがとう!働くママさんたち!
というわけで、純粋な看護師の増加数は3万人ほどとなります。よかった。ちゃんと増えてるじゃん。
でも待てよ、2014年で160万人で2025年まで3万人ずつ増えたとしても11年で33万人増。ということは・・・全然間に合わないじゃないか!
ここで注目なのが潜在看護師。17万人いると言われているこの人たちが働いてくれたら充足しますがこの潜在看護師さんたちがなぜ潜在してしまっているのかというと、肉体的、精神的な健康障害というのが最も多いのでなかなか期待は出来そうにないですね・・・。
そういう私もたいして働いていませんが。
ギリ、潜在はしていませんが。
このような現状であるから一人でも多くの新しい看護師を誕生させなくてはと学校教育にプレッシャーも掛かっているわけです。
とある学生との思い出
私が臨床指導者をしていたとき、頭を抱える学生がいました。その学生はすでに一回実習が不合格になっていて再実習でした。この実習で合格しなければ落第です。
しかし、その切羽詰まった状況の実習でも何をどう指導しても記録もかけない、行動も起こせない。マンツーマンで一緒にどのような看護が必要か考え、具体的な方法をみつけ、あとはそれを形にするだけでしたがそれもできない。何を言っても「あ、はいー・・・。」だけ。
暖簾に腕押しとはこのことか!何をどう伝えても響かない。ほぼほぼ答え教えてるくらいなのにあとはそれをほら、その紙に、そのまま、書いてきてー!ってくらいなのに書いてこない・・・。
私「昨日言ったこと書いてないね。どうしたの?」
学「家に帰ったら寝ちゃって・・・。」
ね、寝ちゃってー!どんだけ寝たんだい!8時間しっかり寝てるね、うん。
患者さんに何かやるっていってもまったく動けません。
まぁ、そうですよね。動くための計画用紙が白紙なんだし。
結局、何一つ患者さんに看護をすることは出来ず終わりました。
毎日検温して患者さんとお話してあとは看護師がやっているのを見学しているだけ。いや、ただ見ているだけ。
私は学校の先生にこの学生を合格にすることはできないと伝えました。でも、その決定権は現場の看護師にはありません。最終的には学校の先生が点数をつけるからです。
私は精いっぱい何がどう駄目なのか先生に伝えました。もう全力で熱く語りましたよ。だって本当に何もできなかったから。このままこの人が実習に合格して、万が一にも国家試験に合格したらどうなるか・・・。考えただけでも恐ろしい!
しかし、その学生はギリギリの点数で合格となり、その万が一の国家試験に合格し、めでたく免許をゲット。就職し看護師になりました。しかもよりにもよって、私のいる病棟に配属されました。まさか・・・まさかでしたよ。
それからは大変でした。新人看護師となった彼女を一人前の看護師にするためにあれこれ手を変え品を変え指導をしてそれはもう周りの人のほうが疲弊する一方でした。なんとか彼女が重大な失敗をすることはなく、3年で辞めました。
学校教育の在り方を見直してほしい!
先にも書いたように、看護師は人手不足で猫の手も借りたいような現状であることは確かです。そのために学校も一人でも多くの人を合格させようとしていることはありがたいことではあります。
ですが、昨日も書いたように誰でもがなれる職業ではなく、学校ではちゃんと適性を見極めてもらいたいのです。学校は卒業さえさせてしまえばいいかもしれませんが現場で教育するほうはそうはいきません。
その人が辞めない限りはずっと教育していなかくてはならないわけです。基礎が出来ていない新人がくればその基礎から教育しなくてはなりません。その労力たるや、もう血反吐を吐きそうな・・・(←言い過ぎ)
せめてね、実習でその適正に対して現場の看護師が疑問視した意見は尊重していただきたいなぁと思うわけですよね。
じゃなきゃ実習している意味がないもん。なんのために指導しているのかわからなくなりました。
いくら人手不足でもちゃんと働けない看護師が増えたって周りの熟練看護師が疲弊するだけで結局数年以内には潜在看護師になってしまったり。それじゃ意味がないわけですよね。
いや、もちろんまじめな学生が大半ですよ。真剣な気持ちでやってくれている人たちが沢山いる中で、結局はそういう指導をしても響かない人に対してのほうが指導する時間も長くなるし、それって真剣にやっている人が損をするわけですよ。不公平ですよね。こっちだって見込みのある人に注力したいのは山々ですが、じゃ放っとくか、とりあえずやらせてみるかって言ったら命掛かってますからね。下手すれば死ぬわけですから。失敗から学べばいいってわけにもいかないところがまた厄介で。
愚痴ですね。完全に愚痴です。二日間にわたって単なる愚痴をお届けすることになっている!申し訳ありません。
ですが、少しでも看護師の世界の実情を知っていただけたら・・・なんて。
知ったら知ったで病院行くのがこわくなりますね!私もこわかったです。流産の時の担当してくれた看護師さんたちも先生も。ベテランの先生たちが朝6時に来てくれなかったら私死んでたかも(´・ω・`)
あー笑えない・・・。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
よろしければこちらもお願いいたします。