あの「千と千尋」の世界を体感できるかも⁉長野の渋温泉にある金具屋
こんばんは!天使ママのお部屋へようこそ。
今日は久しぶりに旅行ネタです。
実は結構前に温泉旅に行っておりました。
主人が会社を辞めたので平日に旅行に行ける!
という事で思い立ち、どこに行こうかとネットをさまよっていたところ辿り着いたのが長野県にあります渋温泉でございます。
この渋温泉には千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様が癒されに来るという温泉宿の「油屋」のモデルになったのではないかとまことしやかに囁かれている旅館があるのをご存知でしょうか。
その名も「金具屋」さんでございます。
旅館なのに金具屋?金具売ってるの?ってね。
ちなみに、宮崎駿監督はこれといって特定の建物をモデルにしたわけではなく、全国各地のいろんな建築物のいいとこ取りをしたらしいです。
この金具屋さんも実は全国各地の建築物を実際に見て回って気に入ったデザインを盛り込むという手法で建てられているのでそのために似ていると思われたのかもしれませんね。
今日はその「金具屋」さんをご紹介したいと思います。
本日のメニュー
金具屋の歴史
もともとは本当に金物屋を営んでいたそうです。
それから温泉による湯治の場から温泉宿として今の形になったのは昭和11年今から80年前の事だったそうです。
湯治の場としては、病院のような場所という意味合いが強かったので簡素な造りで必要最低限の設備でした。ですが、宿としてお客様をお迎えするということになったら豪華な造りやおもてなしの気持ちを表さないといけないということで、当時の当主が全国各地を旅してまわり、各地で気に入った手法の建築法を学んで持ち帰り、それらを取り入れた建物を建てました。
当時、その建物を建てたのは宮大工のみなさんでした。普段は寺院などの建築を手掛けるわけですが、旅宿を建てるという事で厳粛な建物にする必要はなく、遊び心をふんだんにちりばめて建てたそうです。
ネジや釘を一切使わない宮大工ならではの手法で山の斜面を利用しながら建物を高くし、木造でありながら8階建てというなんとも不思議な世界がそこに出来上がりました。
金具屋の歴史とこだわりの内装
それではその金具屋さんのこだわりの内装を私たちがパシャパシャ撮ってきた渾身のお写真と共に、ご紹介していきたいと思います。
宮大工の遊び心
たとえば階段。
階段だっておしゃれにしたい。
水車を分解して車輪の部分や軸の部分を手すりの支えに使ったりしてちょっとアートチックな階段が作られています。
窓の障子も凝っています。
こちらはちょっと写真が暗いんですが、富士山ですね。しかも大きいんです。階段の踊り場なんですが、なかなかの迫力ですよ。壁紙が赤いというのも当時の建物としては斬新です。
他にも、こんな窓の障子も
とにかくあちこちに細やかな細工が満載なのです。
こちらも風車を分解した部品を窓の障子の飾りに応用したものです。
釘もネジも使わない宮大工の技術で木と木を組み合わせて建てているのがこの階段の部分からお分かりいただけるでしょうか。
客室は家である
当時の当主と宮大工たちは一部屋として同じ部屋を作らず、一つ一つの部屋を一軒の家に見立てて作っていたと言います。
なので、屋根のような装飾が施され、上り間口が各部屋に作られていたりします。
これだけあちこちの写真を撮っておきながら自分たちが泊まった部屋の全体像を写真に収めておらず、申し訳ありません。
一番スタンダードなお部屋に泊まらせていただきましたが、二人でちょうどいいお部屋の広さでした。
圧巻なのは130畳あるという大広間
こちらでお食事を頂くのですが、お分かりいただけるでしょうか。
この広い空間に柱はございません。
昭和11年の技術でこの広さを柱なしで屋根を支えることは難しいんです。
それを可能にしたのは当時ではまだ珍しい西洋の技術です。今では普通に見られますが屋根を三角に作ること。それとこの格式高い格天井のコラボレーションです。
良いものは日本のものでなくても取り入れる。当時の当主は凄く広い視野を持っていらっしゃったんでしょうね。
寺院などで今も見かけるデザインだと思いますが、普通の格天井とは少し違います。
通常の格天井に飾り格子はつきません。
では、これも宮大工の遊び心でしょうか?
この大広間は戦争で半分以上が焼けてしまったそうです。戦後に建て直しをしたんですが、格天井はこの一つ一つの四角が一枚の板で出来ているものだそうです。
ですが写真だと分かりづらいんですがこの一つの四角って結構大きくて半畳くらいの大きさがあります。それだけの大きさの板材をこの天井の広さの分だけ確保することは当時難しかったそうです。
そこで仕方なく、3枚の板材をつなげて使っているそうですが、それをごまかすために大きな四角の中に飾り格子をつけることで目くらましにしているんだそうです。
そんな細やかなこだわりも知ってみると当時の職人たちのこだわりってすごいなぁって思いますね。
ロビーは商店街のにぎやかさを演出
こちらはロビーから客室にむかう廊下です。
ここでは昔は実際におみやげ物を売っていたそうですが今はこの金具屋の歴史を語るための写真などが展示されています。
こちらの場所は商店街をイメージしたお店が立ち並ぶ様を模して作ったそうです。この屋根の上に天井があり、天井は青空をイメージした青色で装飾されています。
夜になれば外観のライトアップで益々、千と千尋の世界観が!
旅行に行った日はあいにくの雨でして、あまりきれいに撮影できていないのですが、一応撮っておきました。
この写真が千と千尋の神隠しの油屋のモデルだと言われる所以のようです。
おもてなしは人に限らず
こんな素晴らしい歴史と建築技術を誇る金具屋さんですから、毎日泊り客のために館内ツアーというのを行っております。9代目当主の方が自ら館内を案内しながらこの旅館の歴史であるとか内装のこだわりを説明して下さるんです。
なので、それのおかげでこのような記事を書くことが出来ました。
ですが、このお宿のおもてなしはそれだけではございません。
玄関先でおもてなしをしているのは猫さんでございます。
思いっきり目が光っちゃってますが、この子以外にも真っ黒のよるいちさんと白黒の猫さんもいらっしゃいます。
みんな賢く、ロビーより奥には行こうとしません。
そして大して媚も売ってくれません(笑)
そこが猫のいいところなんですけどー(*´ω`*)
温泉も充実
金具屋さんではお湯はすべて源泉かけ流し。
合計4つの自家源泉を保有しており、5つの貸切風呂と2つの大浴場、1つの露天風呂も完備!
貸切風呂は予約なし、何度でも入り放題!
私たちは1つの大浴場を除いて他は全部制覇しました。
どの貸切風呂も大浴場もみんな雰囲気が違って自分のお気に入りのお風呂を見付けてみるのもいいですね。
それに、この渋温泉には宿の外にも9つの共同温泉があって、宿泊客は宿泊している期間、入り放題なんです!
昔懐かしい温泉街の街並みをそのまま残す渋温泉ではお散歩しながら気になる温泉に入ってみるのもいいと思います。私たちはなんといっても子宝の湯は入ってかなくちゃねなんて言って満喫しました。
さて、今日はこの辺で。
明日はその長野旅行で翌日行った地獄谷とそば打ちの体験談なんかを書きます。
よかったらまた読んでください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
金具屋さんの情報はこちら⇓
【公式】歴史の宿金具屋 | 昔ながらの建築と温泉でしばしの時間旅行を
合わせて読んで頂きたい記事
宜しければこちらもお願いいたします