天使ママのお部屋

体外受精、双子妊娠、22週流産、癒着胎盤を乗り越えてベビ待ち中のナースのブログ

私の妊娠ライフその8~胎盤のかけら・幸せのかけら~

こんにちは。天使ママのお部屋へようこそ。

今日は東京にも雪がちらついております。積もるような感じではありませんが寒いですね。さすがは2月です。

早速、昨日の続きを書きたいと思います。

子供たちの旅立ち

長くて濃い二日間が終わって集中治療室から一般病棟へ移りました。産婦人科病棟ではなくあえて整形外科の病棟に移りました。妊婦さんや生まれたばかりの赤ちゃんを見るのは辛いだろうという配慮でした。

私たちの双子は数日後、荼毘に付す手筈が整いました。その日に向けてどうにか動けるようになるべくリハビリを開始。先生も自宅のほうがゆっくり休めるだろうからと言って子供たちの火葬の日に仮退院としてそのまま週末を自宅で過ごし、問題なければそのまま退院という許可をくれました。私も一刻も早く家に帰りたかったので最低限トイレまでは歩けるようにと頑張りました。

緊急入院したのが月曜日。その週末の金曜日、双子を病院の霊安室で納棺しました。ぬいぐるみと肌着と私たちと両家の親がみんなで写っている写真を一緒に入れ、主人と主人の母が家に連れて帰ってくれました。主人は一晩自宅で双子と過ごし、翌日私を病院に迎えにきて火葬場へと向かいました。朝一番のしんと静まり返った斎場で静かに二人の旅立ちを見守りました。

 

再びの悪夢

二人のお骨が入った骨壺を胸に抱き、自宅に帰ろうと車椅子に座ろうとした瞬間、多量に出血しました。もうナプキンでは収まりきらないほどの出血があり、慌てて病院へ戻り診察を受けました。退院は取りやめとなり週明け詳しい検査をすることになりました。そしてMRIや採血検査の結果、胎盤のかけらがまだ残っていると言われました。このままではまた出血してしまうためこのかけらはどうにかして取り除かなければならない。しかし、思った以上に子宮の中に食い込んでいるようで手術で取り除くことは難しいということでした。残る選択肢は抗がん剤としても使われるメソトレキセートという薬を投与すること。この薬により残っている胎盤組織を死滅させるということでした。抗がん剤というワードにやはり抵抗はありましたがこのままにするわけにもいかず、やるしかないと覚悟を決めました。

 

胎盤のかけら

もう今更、恥ずかしいとかでもないんですけど、その薬はお尻に注射されました。筋肉注射で最も痛みを感じにくいのがお尻だからです。看護学校の実習でお尻に筋肉注射をする練習をしたことはありますが実際に私が患者さんのお尻に注射したことはなく、まさか注射する方ではなくされる方を先に経験することになるとは…。

ベッドの上でうつ伏せになりお尻を丸出しにして待機します。「では、いきますよ。」の合図とともに、ぶすっと。針を刺した痛みは確かにほとんどありませんでしたがあとからじわじわと痛くなって暫くは仰向けにはなれませんでした。幸い、目立った副作用も出ず、若干肝機能が落ちましたがすぐに持ち直しました。一回の注射で効果があり胎盤組織を死滅させることに成功しました。しかし、子宮の中には傷跡が残り、今もまだエコーで傷が確認できる状態で次の妊娠はまだ望めません。今後この傷が自然治癒していくか経過観察中です。この傷がもう治らないものとなったらやはり妊娠は諦めなくてはならないかもしれません。あまりそうは思いたくありませんが。いずれにせよ、まだ数カ月はかかるということでした。

 

主人の支え

妊娠して以来、最初からあまり順調な経過ではなかったので主人には頼りっぱなしでした。特に入院している間は毎日病院に通い、退院してからも1カ月仕事を休んで私のそばにいてくれました。私が双子に対面する前に主人は呼び出され先に一人で対面していたそうです。看護師さんに「お会いになりますか?」と聞かれ、反射的に「はい。」と返事をしたはいいものの、主人も心の準備が出来ないまま対面して双子の姿を見た途端、気持ちが爆発してとにかく泣いたそうです。そして「恥ずかしいんだけどさ、俺本当に自分で自分が支えきれなくてさ、泣きながら母ちゃんに電話した。」と言っていました。私を支えるために気丈に振る舞ってくれていた主人も心はボロボロでした。そういう時、頼れるのはやはり母親。母親ってすごいんですよ、その存在が。いくつになっても母親の存在というのは絶対的というか、どうにもならなくなったときすがりたくなるそんな存在なんですよね。そういう存在に、私もいつかはなりたいと思います。

そしてこんなことになっても主人は言ってくれました。

「この6ヶ月、幸せだったよ。」

私は気付かされる思いでした。失ってしまったものばかりに目を向けていましたがこの半年、双子たちが私たちにもたらしてくれた幸せが確かにありました。男の子だったらこうしたい、女の子だったらこうしたい、ベビーカーは横並びか縦型かとか、ベビーベッドはいるだろうかとか、安産祈願はどこでするのかとか、希望あふれる未来について語り合ったとき私たちは幸せでした。初めて編み物に挑戦しておくるみを編んだり、母子手帳を初めてもらった時の喜びだったり、二人でお腹に語りかけたり、かけがえのない時間を双子たちはくれました。もらった幸せ、まだある命、深まった夫婦の絆、こういうものに目を向けて生きていかなくちゃいけないんだと思いました。そして深く深く主人の支えに感謝しました。

 

私の妊娠ライフはひとまずこれで終わりです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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