天使ママのお部屋

体外受精、双子妊娠、22週流産、癒着胎盤を乗り越えてベビ待ち中のナースのブログ

私の妊娠ライフその7~生きてるだけでまるもうけ~

こんにちは。天使ママのお部屋へようこそ。

昨日の関東地方は風が凄かったですね。洗濯物もなんだか埃っぽくなってしまって洗ったのに汚れたような…。

ではでは、昨日の続きをいきましょう。

手術室からの帰還

次に私が目覚めたとき、そこは手術室だったのか、集中治療室だったのか分かりません。手術の前に麻酔で眠るんですけどその時は次に目が覚めた時にはこの痛みがなくなってるんだと期待していたのに目覚めとともにまた同じ激痛でした。なんで?と思ったらまたも見知らぬ男の人が横に立っていて私のお腹をぐりぐりと押していました。目が覚めてもこれなのか。と思ったら朝先に駆けつけてくれたベテランの先生がそばに来ました。

「お疲れさま。子宮はちゃんと残せたからね。」

「本当ですか?ありがとうございます。」

「よく頑張ったね。」

そう言って見えなくなりました。そしてまたぐりぐりです。中から掻き出されていないだけまだましではありますが相当痛いです。その見知らぬ男性の白衣の袖を掴み、なんでまだこんなことするのかと聞きました。子宮を収縮させるためだと言われました。手術が終わったのにまだこんなに痛い思いをしなくてはならないのか。どうやら近くに主人や母はいません。白衣の袖を力いっぱい引っ張りながら「もうやめてくれ、なぜまだこんなに痛い思いをしなくてはならないのか。私の双子はもういないのになぜまだこんなに痛くされるんだ。」そんなことを叫んでいました。その男の人は私にされるがままになりながらも力を緩めません。私も容赦なく袖を引っ張ったり腕を押したりしながら抵抗します。「こんなのひどすぎる。なんでこんなに残酷なのか。」とにかくそんなようなことをずっと叫んでいました。家族がそばにいないためしっかりしなくちゃという気持ちが切れたんでしょう。家族の不安を少しでも軽くするためにも私が取り乱しちゃだめだ、そういう思いが今まで私を奮い立たせていました。家族がそばにいない今はとにかく自分の中の本当の気持ちがあふれてきたんでしょう。なぜ私ばかりがこんな目に遭うんだ。なぜ私はママになれないんだ。そういう気持ちがどんどん私を弱気にさせました。「子宮を何で残したの。こんなに痛いなら取ってくれたらよかったのに。」ほんの数分前に先生に子宮を残してくれてありがとうと言ったはずなのに、こんなことまで叫ばずにはいられませんでした。

少し休憩させてと懇願すると手を休めてくれました。どうやらもう一人男の人と反対側に女の人が立っていてその人が私のお腹を触ります。子宮の高さをみていました。「駄目ですね。すぐにまた戻ってきちゃってます。」どうやら手を休めるとまた子宮が膨らんできてしまうということでした。また容赦ないぐりぐりが始まります。痛い、嫌だ、酷い、そんな言葉をずっと叫んでいたところにまた先生が戻ってきました。女の人おそらく看護師だったんだろうと思いますがその人が現状を先生に報告しました。「もういいよ。後は薬で収縮してくるだろうから。」と言い地獄のぐりぐりから解放されました。

「大丈夫?出血がひどかったからね、輸血をまだしばらくするよ。ヘモグロビン5だったから。」

「ヘモグロビン5⁉」

ヘモグロビンとは貧血の指標となる採血データの数値です。女性は男性に比べ低いことも多いですが12くらいはあります。貧血気味なんですという人でも9はあります。その値が5とは本当に死にそうな状態でした。

「この男の子、研修医だから。」

「研修医⁉ごめんなさい、私酷いこといっぱい言って。」

そう言うと二人とも笑っていました。暴言を吐きまくられ、白衣を力いっぱい鷲掴みにされながらも黙々と必要な処置をしてくれた研修医の先生が、将来ハートの強い先生になってくれることを祈りつつ、ようやく解放された安堵感で少し意識が遠のきました。

 

集中治療室にて

しばらくして家族が部屋に入ってきました。主人と母、それに弟が来ていました。ここはどこで今は何時なのか聞くとここは集中治療室で今は朝の9時過ぎだと。手術室に行ったのが7時過ぎ。なんだ、まだあれから2時間しか経ってないのか。

落ち着いて見回してみると両手に点滴そして輸血だの点滴だのがぶら下がっている。手はドラえもん並みにぱんぱんにむくんでいました。血圧を維持するために急速に大量の点滴を入れた影響です。指一本動かすのもしんどい。枕の位置を直してもらうために頭を上げようとしても全く力が入らないし全身筋肉痛でした。一晩中叫び続けた代償でしょう。私の無事を確認した後、家族は交代で家に帰って少し仮眠をとりました。私も眠りたかったけれど不思議と眠れませんでした。何度か主治医の先生が様子を見にきました。私の子宮にはドレーンという出血を外に出すために管が入れられていて廃液をためるバックがつながっていました。そこにたまる出血量をみて経過は順調そうですと説明してくれました。みんな帰って主人と二人きりの時、主人は子供たちに会ってみるかと私に聞きました。私は途端に泣き出してしまいそれをみて主人も泣きながら「ごめんね、ごめんね。まだ辛いよね。こんなこと言ってごめん。」と言いました。暫くして気持ちが落ち着くとちゃんと現実と向き合おうという気持ちになれました。「二人に会ってみたい。」そう主人に伝えました。

我が子との対面

夜になってから準備が整ったということで、二人が部屋に連れてこられました。小さな小さな箱の中に二人が寄り添うように眠っていました。「お姉ちゃんと弟君でしたよ。」と、看護師さんが教えてくれました。おそるおそる二人に手を伸ばし、そうっと触れてみました。ついさっきまで霊安室の冷凍庫で保管されていたため、とても冷たくなっていました。片手でも足りるくらい小さな小さな二人は冷たくなってはいるものの、今にも目を覚ましそうなほど色つやがよかったです。最初は冷静に男の子の方は主人に似てるとか女の子のほうは私に似てるとか言っていましたが、次第に耐えきれず、声をあげて泣いていました。二人が入った小さな箱を抱きかかえ、思いっきり泣いていました。本当に二人はもうこの世にいないんだ。昨日までお腹の中で元気に動いていた二人はもう動かないんだということを実感してただとにかく悲しく、申し訳なく、どうにもやるせない気持ちでした。

 

どうにも今回も悲しい気持ちにさせてしまう内容ですみません。まだもう少しお話は続きます。お付き合いいただきありがとうございます。こういった経験談が少しでも皆様のお役に立てたらうれしいです。

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