やりがい搾取はダメだけどあれもこれもやりがい搾取?
こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
本日二本目の記事は医療の現場とやりがい搾取についてです。
つい先日、テレビでやりがい搾取のことがやっていました。
逃げ恥でも登場したやりがい搾取と言う言葉は実はもっと前からあったんですってね。私はみくりちゃんのセリフで初めて知りましたが。
今日はこのやりがい搾取を医療の世界で考えてみたいと思います。
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やりがい搾取について
そもそもまず搾取って何よ。ってことで調べてみました。
さく‐しゅ【搾取】 の意味
- [名](スル)
- 1 乳などをしぼりとること。
- 2 階級社会で、
の所有者が生産手段を持たない直接生産者を必要労働時間以上に働かせ、そこから発生する剰余労働の生産物を無償で取得すること。→
ちょっと難しいですが、労働者から利益を搾り取ることみたいな感じですかね。
逃げ恥のみくりちゃんは確か、地域の商店街の皆さんからイベントの企画をお願いされたんですよね。最初それをノーギャラでお願いされて「それはやりがい搾取だ!」と黒板にやりがい搾取と書いて「私、森山みくりはやりがい搾取に断固反対します!」と市議会議員キャラで訴えてました。さて、ではそのやりがい搾取とは・・・?
やりがい搾取とは
やりがい搾取と言う言葉は実は2007年に教育社会学者で東京大学教授の本田由紀氏が提唱した言葉です。
労働者が労働の対価としてお金ではなく「やりがい」を強く意識させられ結果としてサービス残業が当たり前になったりして労働者が気付かないうちに不当な労働環境での労働を強いられている状態のことを言います。
好きな仕事ができているんだから、これは自分の勉強にもなっているんだから、仲間と一緒だから、そういう意識を持たせて自ら進んで低賃金や無報酬労働をさせている企業があるようです。
確かに、そうした仕事の仕方は充実した仕事が出来ている気持ちにはなりますが、雇用主が意図的にそういったことを意識させて低賃金で仕事をやらせているとしたらそれはやりがい搾取であり、ブラック企業です。
やりがい搾取の問題点
やりがいがあるというのは悪いことではありません。仕事にやりがいが持てないと長続きしませんよね。問題なのはやりがいを報酬としてしまっているかということです。やりがい搾取をする企業は働くことこそ素晴らしい、休むのは悪だという概念の元、休憩時間や有給休暇を十分に与えなかったり社員もそれを当たり前と思い込み、具合が悪くても無理に出勤し、結果体調不良を悪化させてしまったりします。
働いても一向に給料は上がらず、文句を言ったり具合が悪くて暫く働けなくなったりしたら一方的に解雇。やりがい搾取の裏にはこうしたブラック企業が潜んでいたりします。やりがいを隠れ蓑にして労働者に一見価値のある仕事をさせているように見せかけて不当労働をさせているんです。
やりがい搾取と医療の現場
医療の現場も半分はやりがいで持っているようなもんですね。残業全部に賃金が払われているかと言われると100%とはいいがたいですし、私も休日に会議とか出てました。
医師だって当直明けそのまま日勤なんていうえぐいことやってますからね。研修医の先生とかパソコンの前で石像みたいになってるなって思ったら寝てるし!Σ(・ω・ノ)ノ!とか。夜勤で急変なんてあったらもうみんな分かってますよ。はい、終わったー。朝までノンストップコースだよこれ、ってね。それでも頑張れるのはやっぱり「やりがい」なのかなぁって思います。
やりがいがあるといのは悪いことじゃないんです。問題なのはやりがいを報酬にしていることなので。医療の現場でなんでもかんでもやりがい搾取だ!とか言ってたらきりがないし、医療が成り立ちません。線引きが難しいんですよね。
これって本当にやりがい搾取?
シフトを組むのにルールがなく、1週間以上休みなしで連勤させられるとか、勤務希望を聞いてもらえないとか、それでいて患者さんにより良い医療を提供するためなんだから仕方ないでしょとか言われたらそれはやりがい搾取だと言っていいと思いますしそんな病院は辞めるべきです。
でも例えば、休日に学会や勉強会に出席すること。これに賃金が支払われないのはおかしい!というのはよく聞くんですよね。休みの日なのにおかしいだろうと。
でも私はこれをやりがい搾取だ!と言うのはどうかと思うんです。日進月歩の医療の世界で常に新しい知識を身に着ける努力をすることは専門職としてやらなければならない義務であるし、それが国家資格を持つ者の責任なのではないかと思います。
やりがい搾取と専門職としての責任をはき違えてはならない!
要は、見合った給料が支払われているかどうかなんですよね。みくりちゃんも言っていました。「時給2000円なら耐えられる仕事も最低賃金では耐えられない。」つまり、労働の対価として見合った満足のいく賃金が支払われているか、ということなんですよね。
よく看護師は給料がいいと言われますが、確かに無資格の仕事に比べたらいいとは思いますが、命を削って夜勤をする看護師たちにしてみたらまだ少ない!と思っている人が多いようです。私は生きてさえ行けるお金がもらえればいいと思っていたし、それには十分なお金をもらっていたので不満はありませんでした。労働に見合った給料というのは一体いくらなのか。それは個人の価値観にもよるので一概には言えません。
ですが、やはりですね、それなりの給料をもらっているならそれに見合った労働もしなければなりません。同じパートでもスーパーのレジ打ちパートは時給900円くらいですが看護師のパートは最低でも1600円はもらえます。それはなぜか。看護師という専門職だからです。看護師だと名乗る以上、看護師の名に恥じぬ働きが出来なければいけません。そのための自己研鑽は必要です。それが出来て初めて私の労働に見合った対価ではない!という言葉に説得力が生まれます。
本当の意味で医療の現場を良くしたいと思うなら
医療の現場にもやりがいの搾取は存在するかもしれません。というか、するでしょう。しかし、やりがいの搾取だと主張するばかりではどうにもなりません。本当にブラックな病院に勤めているなら今すぐ辞めるべきです。ちゃんとした病院であれば専門職としての責任を果たしていれば認めてくれるはずです。そうすれば発言力も持てます。小さな声を大きな影響力のある声にするために、知識技術の向上に努めましょう。
そんな偉そうなこと言えるようなもんでもないただの看護師ですが、なんだかやりがい搾取について考えながら書いていたらこういう結論に至りました。
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そんな看護師の教育についてもこんな記事を書いています。
そして、これから看護師になりたい、なってほしい人への記事も書いています。
今日二つ目の記事を読んで頂きありがとうございました。
宜しければこちらもお願いいたします。