医療ドラマで見る流産のエピソードと自分の体験談の話
こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
突然ですが、コードブルー見てますか?
そう、あのドクターヘリのお医者さんたちのドラマ。
山ピーとかガッキーとかが出てるあれですよ。
私、去年まであまり連ドラ見てなかったので前回も前々回のシーズンもあんまり見てなかったんですが、今回は医療系ドラマ好きな主人の影響で初回からきっちり見ているのです。
ご存知ない方もいらっしゃるかもしれないのでかるーくご紹介すると、ドクターヘリもあるような超最先端の高度救命センターで働く山ピーとかガッキーとかの4人中堅救命医の成長物語みたいなかんじなんですが、ペーペーの新人医師も育てつつ、厳しい救命の現実の中で悪戦苦闘するドラマなんです。
このドラマの一番いいところは医者が万能ではないところかなと思います。
ちゃんとっていうのも難なんですが、救えないときは救えないっていう、変に医者とか病院とかっていう場所を美化していないんですよね。
無理なときは容赦なく子供でもなんでも亡くなっていく。医者が自分の無力に打ちのめされる。
よくある切った貼ったで全部治っちゃーうっていうドラマとは違うんです。
もちろん、ちょっと「?」っていうところもありますが、近年の医療ドラマの中ではかなり現実に近い表現をしているのではないでしょうか。
それで今回のコードブルーは妊娠13週の出来るナースが救命処置中に倒れて流産してしまったというエピソードなんです。
このナースはドクターヘリに一緒に乗り込むナースで前回は毒ガスにやられて意識不明になっていたりしてそこでは流産しなかったのに元気になって職場復帰してからの流産。前回の話の中に流産まで入れるのは描き切れないからってことかもしれませんが、まぁ、それはそれとして。
妊娠13週というとまだ妊娠初期。妊娠初期の流産はほとんどの場合、胎児に先天的な異常があったりして妊娠を継続できない場合が多いんです。つまり、お母さんがどんなに注意していても防ぎようがないっていう流産がほとんどなんです。
同僚の救命医の戸田恵梨香は産婦人科医でもあり、懸命に処置を施しましたが、救えなかったんです。そのことを病室で謝るんですね。その出来るナースに。
「赤ちゃん、救えなくてごめん。」
これに対して、出来るナースさんは言うんです。
「大丈夫。妊娠初期の流産はよくあることだし、またチャンスはあると思うから。」
絞り出すように、そう言うんですよ。
妊娠初期の流産はよくあること。
一般論としてはそうですが、自分のこととして受け止められるかというとなかなかね。それでも一生懸命やってくれたことはわかるから、精いっぱい頑張って言った言葉でしょうね。どんな強がりにせよ、流産した翌日にこのセリフが言えるかと考えるとなかなか言えたもんじゃないと思うのですが。
なんとかして自分に言い聞かせているような感じでもありました。
その後、このナースさんは「もっと早くヘリを降りればよかった。」とかいろいろ後悔します。妊娠自体予期せぬもので出来ちゃった結婚をしたんですが、つい仕事を優先してしまったことに罪悪感を感じていたようです。
こういうの見ると、切なくなりますねぇ。
私の場合、こう言っちゃ難ですが、流産の時に胎盤癒着で死にかけたことはある意味良かったなって思うんですよ。
流産直後、今度は自分の命の心配をしなくちゃならなくて、次に子宮が残せるかどうかの瀬戸際になって、流産してしまったということだけにとらわれずに済んだし、生きててよかったっていう安堵感も持てたんですよね。
一度死にかけると生きてるだけで丸儲けって思えてたとえ流産したって子宮が残せなくたって生きてるもん。それだけでもありがたいことだよって思えたことが救いになった気がするんですよ。
看護師だし、ある程度自分の身に起きたこと、流産した原因を説明されてあぁ、予防することはほぼ無理だったんだなってこと理解できるんですよ。
それでももしかしたらあれをしてたら、これをしなかったら、もしかしたら助かったんじゃないかなとか、みんな考えるんだと思います。
もう1日中ずっとそんなことを考え続けて人生終わりたいくらいの絶望感に苛まれるくらいの出来事だと思うんです。
妊娠初期だろうと中期だろうと後期だろうとね。
でもそれってそういう事を考えるだけの体の余裕があるからなんですよ。
自分の体は元気なのに赤ちゃんはいない。そういう状況だから考えるだけの余力があるんですね。
指一本動かすのもしんどいくらいの全身の痛みで寝返りも打てないくらいの状況だと正直、そんな考えも浮かばなくはないにしても1日中は考えていられません。
そんな体力がないから。
生きるのに必死。流産した直後から必死になれることがあったことが自分にとってはとてつもなくありがたかったのかなって今はそんなことも考えます。
私は不妊治療をしていたわけだし、ようやく妊娠できた時には仕事も何も全部放ってもおなかの赤ちゃん第一優先でやってきました。
ヘリどころか、夜勤もほぼやってないし、患者さんに直接かかわる仕事もほとんどしていませんでした。
そこまでしてもダメなものはダメ。子宮頚管無力症という病気を実は持っていてそれは初産の場合早期に発見するのはなかなか難しい。しかも運悪く双子だったもんだから余計に耐えられなかった。
誰がどうしたって変えられないことで防ぎようがなかったことって受け入れるのも難しいんです。何かのせい、誰かのせいに出来たらその方が楽でだからとにかく何か、誰かのせいにしたくてあのときこうしてればとか色々考えてしまうんですね。
でも医療者として誰のせいでも何のせいでもないことが頭で理解できる分、後は受け入れるしかないんですが、気持ちはね、そう簡単なものでもなく。
コードブルーに出てくるナースさんも「自分が悪かった、いいお母さんじゃなかった」と自分を責めてしまうんですよね。
こういう時、医師って医学的な話しかしなかったりもするんですよ。「医学的には母体に責任はなく、胎児の先天的異常のせいであって・・・」なんてそんな説明誰が救われる?「だから自分を責めないでください」なんて無理な話ですよ。
誰のせいでもない、絶対に免れることは出来なかったことなんだって受け入れる方が辛いんです。たとえ自分のせいでもいいから何かのせいにして回避できたかもしれないって考えてた方がまだ楽なんです。
そういうところまで理解して寄り添える医療者でありたいものです。
なんだか今日は取り留めのない記事となってしまいました。
なんとなく、今週のコードブルーを見ていたらこんなことを書きたくなったので。
今日はこの辺で。
ではまた。
最後までお付き合いいただき有難うございました。
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