天使ママのお部屋

体外受精、双子妊娠、22週流産、癒着胎盤を乗り越えてベビ待ち中のナースのブログ

麻央さんの偉大さに想いを馳せて自分らしい最期を迎えるために

こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。

 

小林麻央さんが先日、旅立たれましたね。

世界で最も影響力のある女性100人に日本人で唯一選ばれた麻央さん。

偉大なる人は大抵、亡くなった後に評価されたりしますから麻央さんが生きていらっしゃる間にその功績が称えられたことは、素晴らしいことでした。

 今日はそんな麻央さんの偉大さに想いを馳せて、少しだけ在宅医療や緩和治療のことについて書かせてもらいます。

f:id:yuki-1224_love30:20170624112928p:plain

本日のメニュー

 

在宅で看取るご家族の覚悟

最後は在宅医療に切り替え、静かにご自宅で旅立たれたそうですね。ご自宅での看病は御家族にとっても覚悟と勇気のいる判断だったことと思います。

 

私は長年病院で患者さんの最期を看てきましたが、私たちは病気を持ったその人とか会っていません。ですが、御家族は元気だった時の笑顔だったり、力強い声だったり、走り回ったりする姿の思い出があります。その状態から病気を患い少しずつ瘦せていったり、力がなくなっていく変化をそばで見続けることは本当に辛いことでしょう。

 

それを自宅で見続けるということは、相当の覚悟が必要となります。突然の状態変化があったときも、病院であればナースコールを押せば看護師が飛んできますが、自宅ではまず自分が対応しなくてはならない。そうした不安もありながら、それでも家族みんなで一緒に居たいという思いがきっとご家族を支えていたんだと思います。

 

 

大切なのは最期をどう迎えるのか

最期をどこで迎えるのか。誰もがきっと自宅で最期を迎えたいと願うでしょうし、家族だってできることならそうしたいという気持ちもあるでしょう。でも現実には病気の人を看病するだけでは生きていけません。働かないと自分たちの生活だって成り立たないし、医療費だって払えない。住んでいる場所によってはそもそも部屋に運ぶことさえものすごく困難だったりすることもあるでしょう。

ですから、誰もが最期に在宅医療の選択ができるわけではありませんが、どこで最期を迎えたとしても大切なのはどう迎えるかだと思います。

 

がんという病気は優しくもあり、残酷でもある病です。最後に時間が多少なりとも与えられるのです。あと半年、あと3ヶ月、というような時間的猶予を与えられやすい病です。この時間はありがたくも残酷な時間です。どう使うかは本人の自由。いっそ時間なんていらないから一思いにやってくれって思う人もいるでしょうし、その時間に会いたい人に会ったり、やりたかったことをやることが出来て良かったと思う人もいるでしょう。

麻央さんはきっと最期まだ精いっぱい時間を大切に自分らしく、家族のために使った方だと思います。家族だけでなく、同じように闘病生活を送る人に向けても常にパワーを贈り続けたエネルギーの溢れる方でした。

だからこそ、こんなにテレビでもこの悲しいニュースがたくさん報道されているし、御主人である海老蔵さんが辛い気持ちを押し殺してでもあのような記者会見を開かれたのでしょう。

それもすべて、麻央さんの活動の賜物というものでしょうね。

 

緩和治療という手段

少し話は変わりますが、がんの治療には緩和治療が一つの手段としてあります。緩和治療と聞くと、がんのステージが上がってもう助かる道はない人がせめて苦しくないようにするための治療と思われがちですが、そうではありません。緩和治療にがんのステージは関係ないですし、痛みを取るだけの手段でもありません。がんの治療には痛み以外にも様々な症状がついてまわります。がんそのものから来る症状もあれば、薬の副作用から来るものまで様々です。そういったがんの治療におけるすべての症状に対して緩和する治療ががん緩和治療なのです。

 

今は緩和治療を専門に行う医師もいますし、がん緩和治療の認定看護師もいます。そうした専門職も誕生するくらい、緩和治療は進んでいます。がん患者さんの中には時にそういった緩和治療の専門職の介入を嫌がる人もいます。自分はまだそこまで病状は進んでないからとお断りされる方も中にはいらっしゃるのです。

ですが、がんの緩和治療はすべてのがん患者さんを対象としていますし、症状がたとえ今なくても、仕事をする上での不安とか、家族の不安とかそういった話も聞いて一緒に解決する手段を考えます。早いうちからそういった専門職の人と関係性を築いていれば、いざ痛みが出てきた、動けなくなったというような状態になったときでも「あなたらしい」治療をすすめてくれるはずです。

自分らしい最期を迎えるためにも、あなたらしい治療を受けるためにそういった専門職の力を借りることも一つの手段かもしれません。

 

とにもかくにも、今はただ、小林麻央さんのご冥福をお祈りしますともに、海老蔵さんご一家にこれからたくさんの幸せが訪れることをお祈りいたします。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

宜しければこちらもお願いいたします。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村