断れないあなたへ!上手にNOを伝えるためのアサーティブコミュニケーションのコツ
こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。
あなたは普段、ちゃんと「NO」が言えていますか?
うまく断るのって難しく感じますよね。
弱気すぎてもちゃんとNOという気持ちが伝わらないし、威圧的になってしまったら関係が悪くなってしまう。
看護師のように患者さんや他の医療者とコミュニケーションをとることが重要な仕事だと尚更断ることの難しさと大切さがあります。
患者さんの要望にすべて従っていては頼りない看護師になってしまいますし、同僚や上司からの頼みも全部受けていたらいつまでたっても仕事は終わりません。
そこで今日は、ビジネスシーンにも大切な上手に断るためのコミュニケーションスキル、アサーティブコミュニケーションをご紹介したいと思います。
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アサーティブコミュニケーションってなに?
アサーティブコミュニケーションの技術は190年代のアメリカで自己主張が苦手な人のために生まれたカウンセリング手法でした。
1980年代に入って日本でも取り入れられるようになりました。
アサーションとは「自分を大切にしたさわやかな自己表現」のことです。
自分の気持ちも相手の気持ちも大切にしたうえで、自分の気持ちや考えを伝えることを言います。
て言っても、まだなんのこっちゃよくわからないですよね。
まずアサーションの考え方における人間関係の3つのパターンからみていきましょう。
非主張的な自己表現
自分よりも他者を常に優先し、自分のことを後回しにするやり方です。
消極的で引っ込み思案、自分のことを否定しがちで他人の意見に依存的になりやすいタイプです。
このタイプの人は何か都合が悪くなると黙りこんだり弁解がましい言い訳をしがちです。
私はOKではない、あなたはOKという状況。
こ、これは・・・ドラえもんでいうところの「のび太君」ではありませんか!
攻撃的な自己表現
自分のことを最優先にし、他者を後回しにするやり方です。
自己中心的で支配的な考え方を持ち、相手のことを否定しがちで優越を誇るタイプです。
このタイプの人は一方的に主張し、何か問題が起こると責任転嫁してしまいがちです。
私はOK、あなたはOKでないという状況。
これはもしかして・・・ドラえもんでいうところの「ジャイアン」なのでは⁉
適切な自己表現
自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方です。
自発的で何事にも積極的に取り組み、自他協力に努め、歩み寄りを試みるタイプです。
このタイプの人は自分の責任で行動し、何か問題が起きても柔軟な対応が出来ます。
私はOK、あなたもOKという状況。
ということはこれは、ドラえもんでいうところの「しずかちゃん」ですね!
この適切な自己表現こそがアサーティブな自己表現というわけです。
非主張的自己表現になる要因
他者から嫌われたくない、争いたくないという気持ちが強すぎるあまりになんとか穏便に済ませようとして自己主張を抑えてしまいます。
また、自分の気持ちや考えそのものについて大切さを感じていないということもあります。
さらには自分が言わなくても相手に察してほしいという相手への過度な期待もあります。
まさに、のび太君ですね。
攻撃的自己表現になる要因
人の上に立つことや勝つことに執着し、強さこそすべてだと思っていますが、その根底には自分の弱点を知られたくないという不安や恐れがあります。そのために過度に攻撃的になりやすいのです。
また、自分が正しいという思いが強く相手の間違いを正そうとしていることもあります。
行き過ぎた正義感、ジャイアンに通じるものを感じますね。
最近巷をにぎわせているどこかの国会議員の秘書に対する暴言もこういった攻撃的自己表現の一つだったのかもしれませんね。彼女もやはり、自分の弱さへの不安や恐れが根底にあったのかもしれません。
両者は一見正反対に思えますが、じつはどちらも自分に対しての自信のなさが共通しています。アサーティブになるためにはまず、自己信頼を深めることが重要なのです。
自己信頼を深めるためには
自分に自信がないとなぜ、アサーティブになれないのでしょうか。もう少し、詳しくしてみましょう。
アサーティブになれない状況
アサーティブになれないと自分に自信がなくなり、それによって不安や動揺が生じます。その反動で不適切な言葉を発してしまうのです。それが消極的な言葉であるか、攻撃的な言葉であるかの違いがあるだけで根底にあるものは自信の欠如です。
アサーティブになれる状況
自分に自信がでてくれば、不安は減っていき心の状態が安定するので適切な表現ができるようになります。自分も他者も両方を認めて受け入れ、大切にすることができるようになるのです。
自己信頼を深める3つのキーワード
自分に自信を持つ、すなわち自己信頼を深めるためにはどうしらよいのでしょう。
それには3つのキーワードがあります。
自己理解・自己受容・自尊心です。
自分の中の肯定的な部分、否定的な部分をバランスよく理解し、自分が持っている自分自身についてのイメージや捉え方を知ること。
そしてそれらを知ったうえで自分自身を受け入れ、理想の自分と現実の自分をうまく擦り合わせることが大切です。
その上で大切なことは、自分の気持ちを大切にして自分が何を感じているのか、どう考えているのかを尊重してあげることです。
自分の気持ちを知り、受け入れよう
人はどんな感情を感じようと自由です。ですが、辛い、悲しい、羨ましい、そういうネガティブな感情ってたとえ感じていても気付かないふりをして見て見ないふりをしてしまいがちではないでしょうか。
感じることは自由なのにあえて自分でその自由に制限をかけようとしてしまうのです。
そうすると次第に自分の本当の感情が分からなくなり、モヤモヤしたものだけが常に自分の心にまとわりつくようになってしまいます。
まず大切なことは自分がどう感じているかを知ること。それがたとえ、ネガティブな気持ちであってもいったん受け入れましょう。
例えば、遅刻癖のある友人と待ち合わせをして案の定遅刻してきたとします。
「ごめんね、待った?」
この質問に対し、あなたならどう答えますか?
「私も今来たところだからだ丈夫だよ」とか「その辺でプラプラして時間潰せたから大丈夫だよ。」とかって答えます?
そう答えていたとしてもあなたの心の中にはなんで毎回遅刻するんだ!というイライラや自分との約束なんてどうでもいいのかなという悲しさとかなんらかのネガティブな感情があるのではないでしょうか。
だけど、ちょっとの遅刻にいちいち目くじら立てるのも心が狭いみたいに思われる気がするし、いちいち落ち込むのもネガティブで嫌だからついつい、口から出る言葉は「大丈夫だよ。」になってしまったり。
こうして自分の気持ちをごまかしているうちに何が本当の感情だったか分からなくなってきてしまうんです。そうすると常に内心ではモヤモヤしているのにそのモヤモヤがなんなのかもわからなくなってきたり。
こういう時は、「大丈夫だよ」の一言でごまかさず、怒っているのか悲しんでいるのか自分の感情をまず確かめましょう。そして、自分が感じた感情を正直に伝えてみることが大切です。
「毎回遅刻するのってあんまり良くないと思うな。」とか「今日も遅刻されて、自分との約束はどうでもいいのかなって思ったら悲しくなっちゃった。」など適度に表現することが大切です。
相手もね、言われて初めて自分が行った行為が相手にどんな感情を抱かせるのかに気づくことってあると思うんです。言われなきゃわかんないことってたくさんありますから。あなたのひとことをきっかけにこのお友達の遅刻癖も治るかもしれませんよね。
自分の感情を伝えない権利
自分の感情を知ることは大切です。しかし、自分の感情を相手に伝えることが必ずしも常にいい結果になるとは限らないですよね。
例えば失恋したばかりの友人の前で最近できた彼氏とののろけ話をするとか、同じテストを受けて相手は落ちたのに自分は合格した時とか。
こういう時に自分の感情を一方的に伝えては相手に不愉快な思いをさせてしまいます。
アサーティブの考えの根底には自分も大切にするが、相手にも配慮するということがあります。自分のことばかりを考えず、相手のことも考え思いやる気持ちを持ってお互いの譲り合いにより妥協点を見つけることが重要なのです。
そのために、状況に応じて自分の気持ちは自分の中でちゃんと把握しつつもそれを相手に伝えるか伝えないかは自己判断することが必要です。
上手なNOの伝え方
少しずつ、アサーティブという考え方が分かってきましたか?
ではここで、自己主張の中でも難易度の高いお断りをしたい時のアサーティブな表現方法をご紹介しましょう。
仕事での場面を例題に考えてみよう
仕事をしていてなんだか自分にばっかり雑用が回ってくるなぁと感じることはありませんか?仕事は結局出来る人のところに集まってしまうということもありますが、もしかしたらあなたが上手に断れないからみんないいわいいわであなたに押し付けているのかもしれません。
私は看護師なので看護師業界での例題を考えてみましょうか。
- 「悪いんだけど来週の病棟会議の書記代わってくれない?」
- 「あの患者さんに明日の検査の説明してきてくれないかな。」
- 「先生にこれでいいのか確認取ってきてくれる?」
細かい仕事でも塵も積もれば山となる!
自分の仕事がちっとも進まない!
ですよねー。お気持ち、お察ししますよ。
でも心の中だけで叫んでいても何も解決しません。
では、どうしたらいいのでしょう。
上手なNOの三原則
こういう時、大切なポイントが3つあります。
状況・相談・譲歩です。
状況とは、自分の置かれている状況を説明すること。
相談とは相手の意思も確認すること。
譲歩とは自分が考えうるここまでならやれるよという代替案を提示すること。
自分の状況を正確に伝え、ここまでならできるよという意思を見せつつ、相談する形で相手の気持ちも大切にすることで相手を不愉快にさせないお断りができるのです。
上手なNOを考えてみよう
さて、このポイントを踏まえてお断りをしてみましょう。
今週のお題「もしも魔法が使えたら」
「悪いんだけど、来週の病棟会議の書記代わってくれない?」
→今週別の会議の書記も担当していて、両方やると期日までに議事録が間に合いそうにないんです。(状況)どちらか一つなら間に合うと思うのですが。(譲歩)どうしたらいいでしょうか。(相談)
「あの患者さんに明日の検査の説明してきてくれないかな。」
→今○○さんの点滴を交換してその後手術後の患者さんの検温をするところなんです。(状況)その後でよければできると思いますが(譲歩)もし急ぐようでしたら他の人に依頼した方がいいかもしれませんが、どうでしょう?(相談)
「先生にこれでいいのか確認取ってきてくれる?」
→まだこの仕事とあの仕事が残っていて、手が離せないんです。(状況)電話でよければできると思いますが、(譲歩)どちらの仕事を優先した方がいいですか?(相談)
とまぁ、こんな感じです。
こういわれて今すぐ頼んだことやって来いという人はそうそういないと思います。
一方的に断ってないのでちゃんと相手と解決策を考えていこうという意思が伝わりますよね。なので、不愉快な気持ちになる人も少ないと思いますし、断られたとも思わないかもしれませんね。
まとめ
ビジネスシーンでも日常での人間関係でも役立てることが出来るアサーティブコミュニケーション。少しのことを意識するだけで、自分もとても楽になるし人との人間関係も良好に保つことが出来ます。自分の周りにいる人たちを味方につけることが出来れば、いろんなことがスムーズに運ぶようになりますよ。
私も職業柄、人間関係をうまく保つということに関しては頭を抱えることが多いです。自分の物差しだけでは測り切れないいろんな人が世の中にはいますから。でも、どのような人とのコミュニケーションであってもこの方法は自分の考えを伝える方法なので通用します。なので医療の世界でも注目されています。
あなたも、自分の気持ちを大切にしながらわたしもOK、あなたもOKな自己主張を心がけてみませんか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
宜しければこちらもお願いいたします。