入院中の点滴にまつわるナースマンとの思い出
こんばんは。天使ママおお部屋へようこそ。
今週はテーマ「入院」でお届けしておりますが本日で最終日でございます。
え?まだ金曜日?
そうです。でも月曜日に金曜日までで許してくださいと許しを請うていたではありませんか!ということで今日で最終日。そろそろテーマにあう話も尽きてきましたし。
(あっしまった!ほ、本音がでてしまった(/ω\)!)
さて、最終日の今日は入院中の思い出話にしようかなと思います。
入院と言えば点滴。患者としては点滴の針を入れるのって痛いし出来るだけ少ないほうがいいですよね。でも入らないときはなかなか入らないんですよねー、これが。私も働いているとき、苦労したことは山ほどあります。今日はそんな点滴の針を入れるのにめちゃめちゃ苦戦されてたっていうお話です。
医療従事者が入院するときって自分が医療従事者であることを言わない人のほうが多いかなって気がします。特に医者や看護師だと同業者という要らぬプレッシャーを相手に与えてしまったり、同業者だからわかるよね的な感じでいろんな説明が雑になってしまうんじゃないかということから言わないことのほうが多いのですが、私の場合は痛みに任せて看護師だと大声で名乗ってしまったのでもうみんな周知の事実。カルテにもきっと書かれていたんでしょうね。集中治療室から一般病棟に移っても当然のようにみんな看護師だと知っていましたから。
そうなると、一番プレッシャーがかかってしまうのが針仕事です。点滴の針を入れる、採血をするってやつです。私は大量の点滴や輸血により腕がむくみお箸を使うのも困難になるくらいぱんぱんでした。加えて、入れていた点滴の薬が血管に炎症を起こしやすい薬だったため腕が赤くなっていたりしました。なので点滴もすぐうまく入らなくなるし採血もどこの血管からとるのよってくらい血管が見えません。採血の日は憂鬱でした。
点滴は24時間やっていたわけではなく、そのころはもう1日3回の抗生剤と鉄剤のみでした。点滴の針は24時間入れてないときも針は体の中に入れっぱなしにできます。なので点滴をするときは接続するところに点滴をつないで点滴を始めます。なので1日3回点滴をするならそのたびに針を刺されるわけではありません。ですが、いれっぱなしにされている部分は針ではなく、細いストローのようなもので長く使わなければ当然詰まってしまいますし、こまめに使っていても腕を動かしたりしているうちにストローの部分が曲がって入らなくなってしまったりすることはよくあります。点滴のつまり安さにも個人差があってダメな人は毎回駄目になってしまうし詰まりにくい人は何日も維持できたりします。点滴を始めるときはお祈りです。どうか、ちゃんと入りますように!
入らなかったときの落胆感は半端ないです。入らなかったら針を入れなおさなくてはなりません。
自分で腕を見てみてもなかなかの難関です。この腕に点滴の針を入れるのはレベル結構高めです。加えて相手は看護師です。誰もがご免被りたい案件であること間違いなし!ちなみに、採血と点滴だと断然点滴の針仕事のほうがレベルが高いです。採血は針の先っぽだけでも血管に入っていればいいですが点滴は長持ちさせようと思ったら3センチくらいは針を血管の中に入れておかなければなりません。そういう真っ直ぐな血管を見つけなおかつ血管を傷つけないようにすっと入れなくてはいけないわけです。
経験年数が浅い人は一回チャレンジしてダメだとすぐ先輩呼んできます!と退散していきました。呼ばれた先輩は大変ですよ。だって先輩として来てるんですから。私も経験ありますが後輩から点滴はいらないんですと泣きつかれ、かわりに行くと患者さんからなんだか無言のプレッシャーがあるような。君は、先輩だから失敗しないよね?みたいな。私ドクターxじゃないですからー。失敗するときもありますからー。天使じゃなくて人間ですからー。患者さんからしたらそんなプレッシャーかけたつもりないんだけどって場合もあると思いますが中には「もう痛いから最後にしてよね」とか言われたり。お気持ちは察しますがその一言が失敗の元だったりもします。と言いたい!言えない!先輩の苦悩は尽きません。
とある日の朝っぱらから、やはり点滴が入りませんでした。朝一番の点滴はまだ朝食前の6時に始まります。ですので、夜勤帯の人が少ない時間。その日の夜勤の私の担当は3年目の看護師でした。みんな私が聞かないのに自分の経験年数を言ってくるのはなんなんでしょうね。まぁ、それはいいとして、一回チャレンジしましたが見事に失敗。すると速攻で「先輩呼んできます!」とあっさり白旗あげて光の速さで退室です。これも経験だからもう少し頑張ってもいいよ?と思いますが夜勤の朝は時間もないしここで粘って時間を使ってしまうのも良くないなと思い、彼女を見送りました。
そして先輩としてのプレッシャーを抱えつつ、私の前に現れた先輩はナースマンでした。ナースマンの先輩はゴムひもで私の腕を圧迫しながら血管を探しつつ、ため息です。わかる。わかるよ。見当たらないよね。この腕じゃ、どこに刺したらいいか分からないよね。私自身でも腕を見て反対の手で触って血管を探します。ほぼ皆無。二人で血管を探しまくり、「ここ、どう?」と私が提案した場所に入れることになりました。ここで入らなかったら他に選択肢はない!行け!いける!君ならいける!血管を探している間、「僕のほうが年齢は上ですけど、経験年数はまだ5年目なんで。」って保険かけて言い訳してたけど大丈夫、5年目以上はみな兄弟さ!それに人生の先輩じゃないですかー!
私「一思いにやっちゃって下さい。」
腕を差し出す。
ナ「よし、行きます!」
ブス!
ナ「あれ?・・・ん?・・・」
い、いたい・・・でも我慢。きっと血管を見付けてくれる。頑張れ、ここ逃したら次はないぞ。
私「大丈夫、ちょっと探してみて。」
腕の中で針を動かされると痛いんですがここはなんとしても成功してもらわなくちゃならないので多少の痛みは我慢します。寝ながらやっているので私には針の動きが見えません。
が、しかし、待てど暮らせど吉報は届かず。
ナ「だめだ、一旦抜きましょう。」
諦めたー!駄目だったー!ここ以外もうないぞ。無理だよー。点滴もう諦めてやめようよー。と思っても言えませんでしたが。
ナ「仕切り直しましょう。」
私「そうですね。うん、時間をおいてまた来てください。そしたら入る、きっと。」
そう根拠のない励ましをして彼は出ていきました。
それから末梢の循環を高めようと温めたり手をぐーぱー繰り返し行ってみたりと努力を重ね、30分後またナースマンがやってきました。おそらく、今日の夜勤で一番の先輩は彼なのでしょう。私もそうですがなぜか、夜勤で自分が一番上で他に頼れる人はいないってときはどんなに難しい針仕事でもうまくいきました。やはり、追い込まれると自分の実力以上のものがでるんでしょうか。奇跡が起こせるのかもしれません。
再び両腕の血管をくまなく検索。しかし二人で探してもやっぱり最初の場所しかいけそうなところがありません。
ナ「やっぱさっきのところもう一回チャレンジしてみていいですか?」
私「どうぞどうぞ。いけると思うとこでやっちゃってください。信じる気持ちが大事。」
ナ「ですよね!ここ、絶対いけると思うんですよね。」
幸いにもさっき入れようとしたとき無茶な探り方はしなかったようで血管を傷つけてはいませんでした。血管を探って針を動かしているうちに血管を傷つけてしまうと内出血を起こし数日はあざになってしまいます。そうするとあざが治るまでは入れられません。血管を傷つけていないので針を刺す場所を少しずらせばもう一度チャレンジできる状態でした。
ナ「よし、じゃ、いきましょ。」
何度も入念に血管の走行を確認した後、満を持して針が刺さりました。
今度はあれ?という言葉は聞こえません。いけたか?いけたのか?
ナ「よし!きたー。」
きたというのは逆血という反応です。点滴の針の先がしっかり血管の中に入ったら血管の血が針の中に入り込み目視で血が確認できます。それを見て血管に入ったかどうかを判断します。
私「やったー!ありがとー!」
あとはもろもろ点滴の管をつなげたりテープで固定したりなどの作業をして完了です。いやー、長い道のりでした。ちなみにこの時入れた点滴は2日で息絶えましたが。早朝の最も忙しい時間帯にお手間をおかけしましたって感じです。
この点滴の針問題は入院中ほとんどずっとやってたのでまぁ大変でしたね。抗生剤はある程度の段階で終了したんですが鉄剤はずーっと続けていたので。極度の貧血でしたので仕方ないのですがもう頑張ってちゃんとご飯食べるから許してよって感じでした。
それからそのナースマンのことはずっと「先輩」と呼び、何かにつけてお話していました。一度も担当されたことないのに点滴一つでなんだかとっても仲良くなった気がして(笑)
今日は単なる思い出話で終わってしまいました。
印象に残っている看護師さんはまだほかにもいらっしゃいます。
またそのうち書けたらなと思っています。
週末はまた関係ないこと色々書くと思います!以前陶芸に関する記事を書きましたがその時の作品が完成して届いたのでそのこととか、お気に入りの書籍の紹介とか、いろいろ書きますのでよろしければまた遊びに来てください(´∀`*)ウフフ
では、よい週末を(^^)/
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
よろしければぽちっとお願いします。