天使ママのお部屋

体外受精、双子妊娠、22週流産、癒着胎盤を乗り越えてベビ待ち中のナースのブログ

癒着胎盤で死にかけた私が改めて癒着胎盤の事まとめてみました

こんばんは。天使ママのお部屋へようこそ。

今日は妊活ネタです。

初心に帰って、改めて癒着胎盤についての知識をまとめてみようと思います。

私が三途の川を渡りかけることになったこの癒着胎盤は出産時に稀に起こる合併症の一つです。

起こる頻度は非常に少ないものの、命の危機にも直結するこの合併症について今日はまとめてみます。

聞きなれない言葉であるとは思います。でも、癒着胎盤は事前に診断することが難しく、出産の喜びから一転、予期せぬ事態となってしまいます。今は無関係の人でも自分が、もしくは自分の大切な人がなるかもしれない。知っておいても損はないです。

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癒着胎盤とは

癒着胎盤とは平たく言えばその名の通り、胎盤と子宮がくっついて離れない状態になったということです。

通常、胎盤には「絨毛」という根っこみたいなものが子宮の基底脱落膜と言う部分にくっついていて、出産が終わったらお役目御免ってことで脱落膜ごとペロッとはがれます。でもこの脱落膜が十分に形成されていないとペロッとはがれない困った状態が発生します。

その状態の何がまずいのかって言うと胎盤が取れないと子宮が収縮することが出来ず、いつまでも出産時の出血を止めることが出来ないからです。

 

そのくっつき具合によって3タイプに分けることが出来ます。

・せつ入胎盤

→絨毛が子宮筋層表面にくっついているけど筋肉層の中までには到達してない状態

・かん入胎盤

→絨毛が子宮の筋肉層にまで深く入り込んでいる状態

・せん通胎盤

→絨毛が子宮の筋肉層を貫通するまでに至っている状態

 

癒着胎盤の原因

癒着胎盤は基底脱落膜が十分に出来上がらなかったときにおこりますが前置胎盤と言う状態のときに脱落膜が十分に出来上がらないことがあります。

前置胎盤とは胎盤の位置が通常と異なり、子宮の出入り口をふさぐような場所に胎盤が作られてしまった状態です。

この前置胎盤となった場合に癒着胎盤が起こる確率が普通の妊娠よりは高くなるようですが、他にも帝王切開や中絶手術、体外受精など子宮になんらかの傷が出来るようなことを以前に行っていた場合にも、その傷の上に胎盤が出来ると脱落膜が十分に出来上がらず癒着胎盤が起こりやすいようです。

私は体外受精からの妊娠でこの癒着胎盤になったパターンです。

とは言え、前置胎盤からの癒着胎盤が起こる確率は2500例に1例、それ以外では2万2000例に1例ということで極めて稀です。

ただし、帝王切開などの技術が多く使われるようになったため、ここ50年ではおよそ10倍増加しているそうです。

私はこの2万2000例に1例の確立に当たったわけですがこんな稀な事例に当たるくらいなら宝くじに当たってもらいたいもんです。年末ジャンボももれなく外れましたよ!

 

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癒着胎盤になったときの対処

癒着胎盤は妊娠中に事前に診断することはほとんど出来ません。

現状では出産後、45分~60分経っても胎盤が出なかったときに癒着胎盤であると診断されます。

私も二人が出て、あとは胎盤が出たら終わるって言われてから何度も陣痛があってそのたびにいきむんだけどそれで出るのは出血ばかりという状況が3時間以上続いていました。結果、3リットル近い出血をしていたんです。

癒着胎盤だと診断されたらその時点での出血量によって処置は変わります。

私の時は先生が若く、おそらく癒着胎盤であるということを判断するのに時間がかかっていましたし、出血量を測っていませんでした。あぁ恐ろしい。

ひったすら子宮の中に手を入れて胎盤を剥がそうとしていましたがこれがもう激痛。同じことをされた経産婦さんは出産の陣痛より痛かったって言うんだから私、もう出産なんて怖くない!

出血が少なければ子宮の収縮を促す点滴をして自然に出てくるのを待つという方法もあります。子宮が収縮する力を使って自然にはがれることを期待するっていうことです。

でも出血が多ければそんな悠長なことは言ってられません。

手術で子宮の中のものを除去する胎盤用手剥離手術という手術を行います。それでも取り切れなかった場合、子宮丸ごと摘出です。そうしなければ出血多量で母体が死んでしまうからです。

私も手術をしました。その辺の詳しい経過についてはこちらをご参照ください。

 

www.yuki-1224-ten.com

 前置胎盤の場合、事前に検査で癒着胎盤になる可能性をキャッチできることがあります。その場合は予防的に子宮の血管の中に風船のようなものを入れる手術をしておき、いざ出産した後癒着胎盤だってなったら速やかにその風船を膨らませて止血するという方法もあります。

手術で胎盤を除去しても小さなかけらが子宮の中に残っていることがあります。

こういった場合にはそのかけらが小さければ自然に出てくるか消滅することを期待して経過をみることもあります。しかし、かけらが大きいとまた大量出血をおこすリスクがあります。そういった場合は抗がん剤の一種であるメソトレキセートという薬を使って胎盤組織を死滅させるという方法もあります。

私はこれもやりましたので治療法のフルコースを味わいました。

全くありがたくない。

 

まとめ

癒着胎盤は決して頻繁に起こる合併症ではありませんので過度に心配する必要はありません。

ですが、事前に診断することが難しく「生まれたぁ」という安堵感から一変して地獄と化す残酷な合併症でもあります。

私のように流産の後に起こるなんて踏んだり蹴ったりもいいところです。

体外受精や以前に帝王切開での出産、中絶手術などを経験されている方はこういった合併症もあるということを頭の片隅に置かれておいたほうがよろしいと思います。

 

まぁだからと言って、予防できるものなんかじゃないし分かってたからって自分で対処できるものでもありません。

ただね、私はあの時自分に一体何が起きているのか全く分からずただただ激痛だったんですよ。この夜のことを書いてある記事を読んでもらうと分かるんですが、最初に診てた先生は私に十分な説明も出来ないくらい必死でした。ひたすら胎盤を出さなきゃってぐりぐりやってるばっかりで。自分にこの癒着胎盤の知識があったらこういう処置をしているんだなとか、思えたかもなぁって。

知らないってこわいから。知っていたら、少しだけ気持ちが違うかなって。

 

では、今日はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 合わせて読んで頂きたい記事

私の癒着胎盤に関する実体験をまとめた記事がこちらです。

 流産だけでも悲しいのに・・・

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ベテラン先生と主治医がやってきてやっと事態が進展した!

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手術後のこと

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胎盤のかけらをとるためにメソトレキセートを使った話

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癒着胎盤体外受精有意差はないという報告もあります。

ついでに子宮頚管無力症についても。

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